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恋の神様

太郎という名の男の子と、
花子という名の女の子。

太郎は
自分のペースで物事を取り組み
「面倒くせぇ」と言っては
途中で飽きてすぐに諦めてしまう
そんな子だった。

花子は
何でも一生懸命に取り組み
「頑張れば何でもできる」と言っては
頑張りすぎて疲れ果ててしまう
そんな子だった

ある日その2人が出会った。

良い所も悪い所もお互いにないものを
持っている2人。

そんな2人が互いに惹かれあうのに
時間はかからなかった。

太郎も花子も毎日が発見で、
毎日が真新しく、そして毎日を笑い合い
ながら楽しく日々を過ごしていた。

2人で過ごす時間の中で太郎は最後まで
一生懸命頑張る大切さを知った。
花子は自分のペースで無理せず頑張る
大切さをを知った。

そうして幾日過ぎただろうか、
2人の会える時間も少なくなり、
だんだんと太郎の心は離れていった。

花子は悲しかった。太郎の心が
遠くへ行ってしまいそうで
自分1人だけ置いていかれそうで。

そしてこの先、1人ぼっちになって
しまうような気持ちで怖かった。

そしてついに、
太郎は花子に別れを告げた。

花子には理解できなかった。あんなに
毎日が楽しかったのに、なぜ太郎は
自分の傍から離れていったのか?

それからの花子は誰かと出会う事が
怖くなった。誰かと出会い、また別れる
のなら誰にも会わなければいい。

家の中に1人でいれば、こんなに悲しい
別れをもぅ二度としなくて済む。
こんな思いをしなくて済む。

そぅ言って家の中に閉じこもり、
毎日を過ごしていた。

それをずっと見ていた恋の神様が、
見るに見兼ねて花子にこう聞いた。

「なぜ閉じこもっているのだ?」

花子は

「閉じこもっていれば
 誰にも出会う事はありません。」

と答えた。すると恋の神様は、

「そうか…
 お前はそれで幸せか?」

と尋ねた。花子は

「幸せです。
 別れる悲しみがありませんから
 あの苦しみがありませんから。」

と答えた。

「そうか
 私には幸せに見えなかった。
 お前の心が泣いてるように見えたが
 お前が幸せならそれでいい。」

そう言って消えようとした時、

「どうして別れがあるのですか?
 どうしてこんなに辛い思いを
 しなくてはならないのですか?
 この出会いに
 何の意味があったのですか?
 こんな思いをするくらいなら
 出会わなければよかった。」

花子は今までの思いを全て
恋の神様にぶつけた。
すると恋の神様は、

「本当にそう思うのか?
 ならお前に
 いいものを見せてやろう。」

そう言って花子の手をとり、
2人が出会わなかった世界へと
連れていった。

そこには太郎と花子の姿があった。

太郎は最後まで頑張る事をせず
全ての事を中途半端にし、そして
誰からも相手にされなくなり、
1人で心閉ざしていた。

花子は頑張りすぎてしまい、
誰にも寄り掛かれず疲れ果て、
心が折れてしまい、
1人で心閉ざしていた。

その姿を見た花子は言葉を失った。

その様子を見ていた恋の神様は、

「今のお前が在るのは
 なぜだと思う?」

呆然と立ちすくむ花子に尋ねた。

「太郎と出会ったからです。」

花子が小さな声で答えた。

「これでも
 出会わなければよかったと
 そう思うかね?」

恋の神様は静かに尋ねた

「出会えてよかったです。」

と花子は声を震わせながら
ポツリと呟いた。

「あの時のお前達には
 互いが必要だった。
 しかし互いの役割が終わった今
 今在るお前達を必要としている
 人達の元へ行かねばならない。
 ずっと閉じこもっていたら
 その人がお前を探せないだろう。」

恋の神様は、優しい声で花子に言った。
それを聞いた花子の目に涙が溢れでた。
そして、

「互いの人生に必要な時
 必要な時間だけその人生は交わる。
 そしてそれぞれの役割が終わった時
 またそれぞれの道を歩む。
 互いの持つメッセージを
 相手に伝える為にな。」

恋の神様はそう言って
ニコリと微笑んだ。

「だからたくさんの出会いと別れを
 してきなさい。そしてたくさんの
 自分に出会いなさい。
 お前を必要としている人の為に
 大きく大きく成長しなさい。
 お前を成長させてくれるのは
 人でしかないんだよ。」

そう言い残して消えていった。

花子は今の自分が在るのは、
太郎と出会えたからだ。
という事に気がついた。

花子は太郎との過ごした時間の中に
隠されたメッセージが
何であったのかがわかった。

そしてなぜ太郎が隣にいないのか
という事も、それからの花子は
閉じこもる事なくひとつひとつの
出会いと別れを大切にしていった。

例え悲しい別れであっても、
例え苦しい別れであっても、

その彼が教えてくれたメッセージを
胸に新しい自分との出会いに感謝し、
自分を必要としてくれる人の為に
自分を成長させていった。

そして年月は過ぎていき、
あの太郎が再び花子の前に現れた。

互いに成長した2人。
互いの人生に互いが必要だと
知ったのだろう。

太郎は花子の全てを包み込み、
守れる程に強く大きく成長し、

花子は太郎の全てを支え、何事にも
負けない程に強く大きく成長していた。

そうして2人は永遠の愛を誓いながら
幸せに暮らしていった。

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全ての出会いには意味がある。
ということなんですね。

自分の出会いと別れを繰り返さないと
大きく成長できないってことなのかな?

だけど終止符を打つタイミングって、
どこなんでしょうね(笑)


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